君が好き




じゃあ、と言って頼まれたのはメイン広場の整備。


加藤はその飾り付けを、
俺は機材を持ち込んだり椅子を並べたり。



「わり、加藤、それとって」

「はい」



生徒会室よりは大きなこの広場で。


会長と副会長のときにはそれこそ、手を伸ばせば届く距離。

それよりはずっと遠いはずなのに



「あ、ねぇ、会長
こっちとこっち、どっちですかね?」
「右」
「ですよねー!」


近いんだ。
ずっと、ずっと。


横を見れば楽しそうな笑顔があって。



「ん?なんですか、ジロジロ見て」

「いや、楽しそうだな、って」


そんな顔をされたら。
なんか、さ。




「楽しいですもん」



なんかさ、加藤。






俺、そんな顔されたら君のこと‥








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