君が好き
「ごめん、菊池のことは、友達としか思えない。
これから先も。」
泣かせた。
また、泣かせた。
激しい自己嫌悪に
背を向けて歩き出した。
「あれ?ゆーいち、なにやってんだよ!」
ユニフォームを着た古くからの友人であるマモルが目の前に現れた瞬間
堪えていたため息がこぼれ落ちた。
「あぁ。またあれか?
だれか振ったのな?」
驚いて目を見開いてしまったが
あわてて平然を装う。
「あ、いや、そういうわけじゃ…」
「ばーか
お前は嘘つくの下手なんだから。
で?誰?」
「いや、個人情報だし。」
「ほんとにつまんない男だな、お前は。」
もう、なんとでも言ってくれ。
「じゃーな。
部活頑張ってー」
そうだ、つまんない男だよ、俺は。