君が好き
悶々と時を過ごし、
やっと生徒会の時刻に。
こんなにも放課後の活動が待ち遠しかったことはない。
加藤に会える、たったそれだけのことで日常はこんなにも輝くものらしい。
「あ、会長」
早歩きで向かう途中、後ろからかけられた声に驚いて振り返った。
「あ、か、加藤!」
「なんでそんなびっくりしてるんですか」
笑いながら隣に並ぶ彼女に
自然と胸は高く鳴る。
「あ、ポスター、見ました?」
「へ?」
横を向けば少し首を傾げた彼女が。
あぁ、ダメだ。
爆発的に可愛い。
これは一種の凶器だ。
「へ?って‥、
あ、見てないんですか?」
なんだ、人は恋するとこんなにも他の人との見え方が違うのか。
もともと美人だとは思ってたけど、ちょっとこれは規格外だぞ。
加藤の周りだけはなんだか違うオーラを纏っているようだ。
「あのー、会長?」
「え?あ、ポスターな、あぁ!
あれびっくりしたよな、はは」
どうにも上手く返せなくてやけに声も大きくなってしまった。