君が好き
まぁ、とにもかくにも
知らない人が
やったら電光掲示板を見つめている。
「…どうか、しました?」
しばらくボケーっとその姿を見ていたものの
たまにその人が首を傾げたりするものだから近寄ってついに声をかけてしまった。
「え?」
真っ直ぐと見つめられ、
ドクンと心臓が大きくはねた。
「あ、いやほら。
ずっと、それ見てるから。」
彼女の斜め上の電光掲示板を指さしてみれば
「あぁ。」
と、苦笑いを浮かべて見せた。
なんだかその笑顔に胸がギュッと縮まる。
「ちょっと、迷っちゃったみたいで…。」
「え?」
今度はこっちがその顔を見つめてしまった。
だって迷うって。
なにを、迷うんだ?この駅で。
「あの、ちょっと馬鹿にしてるでしょ?」