君が好き
「あ、えっと…」
困った顔で千田を見た加藤の目線に合わせて自分もそちらを見てみれば
「千田…?」
始めて見る表情だった、また。
「かとちゃんもなんか忘れ物!?
私もさっき忘れ物で、それで、今もう見つけたの!だから帰る!
帰るけど!会長がなんか手伝って欲しいことあるらしくって、それで…」
「千田?」
明らかにおかしい。
いつもと違う。
「かとちゃんに、手伝って欲しいらしいよ。」
わかる、わかるよ。
だけど、俺は。
「…バイバイ、会長」
「お疲れ様、千田」
なにも気の利いたことなんて、言えないんだ。
ごめん。
「あの、会長。「加藤」
明らかに加藤は千田の態度を不審がってる。
俺だってわかんないんだ、
加藤なんてよっぽどだろ。
でも、それでも
「これ、手伝って。」
せっかくのチャンス。
逃したくなかった。
そばに、居て欲しかった。
「…はい」
とまどいながらも
先ほどまで千田が座っていた席にカバンを置いた加藤は俺の椅子を挟んだ隣に座る。
それだけで胸が高鳴ったんだ。
なぁ、そのぐらいすきなんだ。
君のことが、