君が好き
うわ、最悪だ。
えぇ、下がったんだけどぉ
…まあまあだな
様々な声があがるのはテストを終えた次の週、
昇降口にある掲示板前だ。
毎回テストが終わると学年のトップ50までがこの掲示板に張り出されるのだ。
で、生徒はみんなそこに群がる、と。
「あ、来たぞ、一位」
ただでさえ暑いこの時期に
鬱陶しく、すり寄ってきたマモル。
暑い、何だこいつ、暑いなホント。
片手で振り払おうとしたが
その先にも待ち構える人。
「あの、上本先輩!
私、もしも次のテストでも先輩が一位だったら…」
「あー!ごめんねぇ!うちの優一くんはね、告白NGだからねー」
でた、俺の優一。
なんで俺はいつからマモルのものに…
「おはようございます」
その時聞こえた声に背筋が伸びた。
「おはよ、加藤」
この二週間。
テスト前一週間とテスト期間中、まるで見計らったみたいに
毎日、加藤に会えた。
朝だったり、帰りだったり。
とにかく、毎日。
実際、俺がそれを狙っていた、というところもあったんだ。
無駄に昇降口で滞在時間を長くしてみたり、
二年のところに行ってみたり…。