君が好き




「“じゃ、放課後”なぁ…」

「…なんだよ」


教室に向かっていれば
例のごとくすり寄ってくるマモル。

さっきのセリフを繰り返しては
ニヤニヤ笑顔を浮かべる。




「いーや。べーつに。」

なんだよ、あいつ。
くそ、気持ち悪いな。


「ゆーいちくんはほーんとにわかりやすいな。」

「…なにが」


そういえば、千田に気付かれていたことが発覚した次の日。

マモルにも
「亜紀ちゃんに会えなくなるからって暗いぞー」
と笑われた。

なんだ、俺はそんなにわかりやすいか?
本気で演技スクールに…


「亜希ちゃんと喋るときのお前の顔。
ダレンダレンだぞ。」

「…ダレンダレン…?」


なんだ、ダレンダレンって、え、なんだ、ブルドックみたいなことか。
そんな感じの顔で俺は加藤と接してるのか。

これは…。


いや、逆に愛想があっていいんじゃないか…?
あー、でも加藤はコーギーみたいな賢そうな顔が好きかも。
はたまたあれか?
チワワとか?可愛い系の顔が…


「おーい、ゆーいちくん。
そんな考え込ませるつもりなかったんだけどな…」



加藤のタイプは…。
加藤はいったいどんな人を好きになるんだろう…




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