君が好き
加藤で埋め尽くされた頭の中。
なのに今日は、なんだろう、やったら…
「…上本、本当にモテるね」
そうだ、そうなんだよ。
自分で言うのも変な話だけど
本当に、今日、モテるんだ…。
朝から机の中に、なんというか、こう…
「ラブレターに始まり」
そう、ラブレターだ。ラブレター。
昼休みには手作りの弁当を渡され、
体育の時間には大量のタオルと飲み物をいただいた。
お陰で今、お腹がはちきれそうだ。
「次のテストでも上本が1位だったら、って人、多かったんだろうなぁ」
「え?」
なんだ、次のテストでも俺が一位だったらって…。
不思議に思い、菊池を見ればなんだか意味深な笑みを返されてしまった。
「私は、先手を打ったつもりだったんだけどね」
「…先手?」
なんだ、先手って。
つかなんだその顔は、ちょっと怖いだろうが。
「なんでもなーい」
上手くかわされて、結局何も言えなかった。