君が好き
「あはは、会長が
千田ちゃんっていうと変ですね」
笑った彼女に力が抜けて
「…はぁ……」
その場にへたり込んでしまった。
「え?会長?」
しゃがみ込んで
なんだか恥ずかしくって俯いて腕に顔をうずめた。
「…会長?」
声が近くなったと思えば
加藤もしゃがんで
真っ直ぐこっちを見ている。
「どうしたの?」
たまに混じるタメ口。
本当に不思議そうに
それでほんの少し不安そうに歪められる眉。
好きだ、と。
言ったら。
君は、
どんな顔で
どんな声で、
どんな返事をするだろう。
「加藤宛かと思った」
察しのいい君だから
気付くと思った。
思っていて、言った。
そこまで君は気付いてくれる?