続きは、社長室で。―愛と誠―
ちなみにここは、幼稚舎から大学までエスカレーター式の私立校。
私は幼稚舎からこの学校で蘭は中学受験組。そんな彼女とは出会ってすぐに打ち解けた。
人見知りの蘭と活発というか少しだけ気が強い私は、まさに間逆の性格をしている。
知り合ってまだ2年。――だけど、互いに親友と言い合えるほど仲が良い。
「どうしたの?」
「ううん、行こっか」
不思議そうに首を傾げている彼女の腕を取り、賑わう教室を早めに出ていく私たち。
「うーわー、寒い!」
「ふふ、やっぱり言った」
「蘭は寒くないの!?」
「うーん、少し寒いかなぁ」
隣から返ってくる可憐な声は、彼女の人となりそのままに今日も穏やかだ。