続きは、社長室で。―愛と誠―


「下手すると怪我するから、気をつけなきゃ」

今度は前を見て歩くように注意し、突き当たりにある階段を降り始めた私たち。


「うん、本当だね」

ぼんやりしているところがまた危うさを生み出しているので、本当に目が離せない子だ。


真っ白な肌色に華奢な身体つきの美少女は、やはり今日もすれ違う男子の視線を欲しいままにしていた。



「明日、雨かな。まだ寒い?」

ただし、蘭はすべてに無自覚。――通りすがりの男子の熱視線は他人事である。


「もちろん」と大きく頷けば、クスリとまた笑った彼女の表情はコロコロ変わって目が離せない。


それがまた女子から見ても抱きしめたくなる可愛さだから、罪作りといえばそうかもしれないね……。


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