瑠哀 ~フランスにて~
「おじいちゃん?ぼく、しらなかったな。
おじいちゃんが、いたんだ。しらなかったなあ」
おもしろそうに繰り返して、クスクスと笑った。
マーグリスは強張りながら、笑みを浮かべ見せる。
「ユージン……」
その手をユージンの頭において、髪を撫でる。
それを見上げて、ユージンは笑った。
「――お義父さま…」
マーグリスはハッとして、その手を引っ込め後ろを向いた。
そこに立っている人影を認め、険しい表情をみせる。
「お前か――!よくも、ノコノコと私の目に顔を出せたものだな」
語気強く吐き捨てて、マーグリスは言った。
セシルは泣きそうな顔をして、小さくうつむいた。
「お久しぶり、でございます……」
「ふん、久しぶりだと?
お前なんか、久しいだなどと思ったこともないわ。
私のたった一人の息子を奪い去った女など、汚らわしいっ」
唾を吐きかけるような勢いでマーグリスは怒鳴る。
セシルはその罵声に耐えられずに、クッと手を口に当てて横を向いた。
「ママンを泣かすなっ!!エイッ―――」
「うわっ…―――!」
おじいちゃんが、いたんだ。しらなかったなあ」
おもしろそうに繰り返して、クスクスと笑った。
マーグリスは強張りながら、笑みを浮かべ見せる。
「ユージン……」
その手をユージンの頭において、髪を撫でる。
それを見上げて、ユージンは笑った。
「――お義父さま…」
マーグリスはハッとして、その手を引っ込め後ろを向いた。
そこに立っている人影を認め、険しい表情をみせる。
「お前か――!よくも、ノコノコと私の目に顔を出せたものだな」
語気強く吐き捨てて、マーグリスは言った。
セシルは泣きそうな顔をして、小さくうつむいた。
「お久しぶり、でございます……」
「ふん、久しぶりだと?
お前なんか、久しいだなどと思ったこともないわ。
私のたった一人の息子を奪い去った女など、汚らわしいっ」
唾を吐きかけるような勢いでマーグリスは怒鳴る。
セシルはその罵声に耐えられずに、クッと手を口に当てて横を向いた。
「ママンを泣かすなっ!!エイッ―――」
「うわっ…―――!」