瑠哀 ~フランスにて~
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三人は隣の客室に移って、椅子に座り直した。
「君に手紙が来てたから、ここに持ってきたよ」
ピエールはスーツの内ポケットから封筒を取りだし、瑠哀に手渡した。
それを受け取って、瑠哀は裏返して差出人を確かめようとした。
「なにも書いてないよ」
そういうピエールの言葉に内心首をかしげながら、その端を破って封筒を開けた。
中から出てきたのはケーキの形のカードで、そっとそれを開くと音楽が流れ出した。
♪タンタタンタン~
少し驚いたような瞳が、その音楽と共に嬉しそうな笑みに変わる。
“ 誕生日おめでとう!!
遠い異国で、誰もこの歌を歌ってくれる人がいないだろう
から、俺が歌ってあげる。
それと、心ばかりのケーキもね。
残り少ない休暇楽しんでおいで。会えるのを楽しみに待っ
てる。
Lots of Love from KAZU ”
カードを読み終えた瑠哀は何ともいえない嬉しそうな表情を見せ、それをゆっくりと閉じた。
「…誕生日…、だったの?」
朔也は初めて聞いた、というふうな驚きを見せて、瑠哀に聞き返した。
瑠哀がそれを答えようとした時、ピエールも横から口を挟んできた。
「いつ?」
「十日…だったの」
「十日っ?!」
二人が同時に言う。
「君に手紙が来てたから、ここに持ってきたよ」
ピエールはスーツの内ポケットから封筒を取りだし、瑠哀に手渡した。
それを受け取って、瑠哀は裏返して差出人を確かめようとした。
「なにも書いてないよ」
そういうピエールの言葉に内心首をかしげながら、その端を破って封筒を開けた。
中から出てきたのはケーキの形のカードで、そっとそれを開くと音楽が流れ出した。
♪タンタタンタン~
少し驚いたような瞳が、その音楽と共に嬉しそうな笑みに変わる。
“ 誕生日おめでとう!!
遠い異国で、誰もこの歌を歌ってくれる人がいないだろう
から、俺が歌ってあげる。
それと、心ばかりのケーキもね。
残り少ない休暇楽しんでおいで。会えるのを楽しみに待っ
てる。
Lots of Love from KAZU ”
カードを読み終えた瑠哀は何ともいえない嬉しそうな表情を見せ、それをゆっくりと閉じた。
「…誕生日…、だったの?」
朔也は初めて聞いた、というふうな驚きを見せて、瑠哀に聞き返した。
瑠哀がそれを答えようとした時、ピエールも横から口を挟んできた。
「いつ?」
「十日…だったの」
「十日っ?!」
二人が同時に言う。