瑠哀 ~フランスにて~
モーテルに近づいてきて、瑠哀は小走りにかけ出した。軽やかに階段を上り、ドアを開ける。
このモーテルは昔のアパートを改装したらしく、六階建てだがエレベーターがなかった。
だが、街に近く、小さいながらもキッチンがついているので、軽い食事なども作ることができて、とてもハンディだった。
細長く奥まったところにレセプションがあり恰幅のいい中年の女がそこにいた。
瑠哀は軽く手を上げて挨拶し、すぐ横の階段を上り出す。
瑠哀の部屋は四階にあった。
急な階段を上り切って部屋へと向かう。
鍵を出しながら、階段を駆けて来る足音を耳にし、一瞬、そっちを振り返った。
振り返った先で見たものは、さっき瑠哀を取り囲んだ男達だった。
三人ともすでに階段を上り切っていた。
瑠哀が駆け出して部屋にたどり着くまでの距離と、その男達との距離では、部屋に行ける状態ではなかった。
体を強張らせ、嫌らしい薄笑いを浮かべている男を静かに睨む。
(……一歩、二歩……)
男達が瑠哀に近づいてい来るのを数えていた。
(……まだだ。あと、もう少し。―――もう少し。…今だ…!!)
男達が数歩で瑠哀に届く、と言う瞬間、瑠哀はダッと走り出した。
ドンと、一人の男の肩をぶつけ倒して、その隙間を走り抜ける。
このモーテルは昔のアパートを改装したらしく、六階建てだがエレベーターがなかった。
だが、街に近く、小さいながらもキッチンがついているので、軽い食事なども作ることができて、とてもハンディだった。
細長く奥まったところにレセプションがあり恰幅のいい中年の女がそこにいた。
瑠哀は軽く手を上げて挨拶し、すぐ横の階段を上り出す。
瑠哀の部屋は四階にあった。
急な階段を上り切って部屋へと向かう。
鍵を出しながら、階段を駆けて来る足音を耳にし、一瞬、そっちを振り返った。
振り返った先で見たものは、さっき瑠哀を取り囲んだ男達だった。
三人ともすでに階段を上り切っていた。
瑠哀が駆け出して部屋にたどり着くまでの距離と、その男達との距離では、部屋に行ける状態ではなかった。
体を強張らせ、嫌らしい薄笑いを浮かべている男を静かに睨む。
(……一歩、二歩……)
男達が瑠哀に近づいてい来るのを数えていた。
(……まだだ。あと、もう少し。―――もう少し。…今だ…!!)
男達が数歩で瑠哀に届く、と言う瞬間、瑠哀はダッと走り出した。
ドンと、一人の男の肩をぶつけ倒して、その隙間を走り抜ける。