瑠哀 ~フランスにて~
『あの娘、私にそっくり。
顔とか背じゃなくて、髪の長いところがそっくり。
後ろを向いていたら、きっと間違える。
巻き込まれるはずじゃなかったのに、それで…捕まったんだと思う。
出入り禁止になったら、必ず逆襲してくると判っていたのに、
全く関係のない女の子を巻き込んでしまった。
彼女の命を奪ってしまった。
私が外に出ていれば、良かった…………』
瑠哀の瞳から、ツーッと、一筋の涙が流れ落ちた。
瑠哀はその大きな瞳を上げたまま、静かに話しを続ける。
『ショックだったのは、死体を見たからじゃなくて、
あの娘が…私の身代わりになってしまったこと。
あんな男に乱暴された、こと。
だから、聞いたの。彼女にその跡があるかどうか。
―――卑劣で、陰険で、最低な男。
電話で、ケラケラとせせら笑っていたわ。
彼女の泣き叫ぶ声を聞いた。ケインが殴って乱暴する音も聞いた。
カセットテープに取っていたのね。
有り難いことに、全て…私に聞かせてくれた―――』
『ルイ、もうやめるんだっ!
もう、いい―――。
……済まなかった。
もういいんだよ、ルイ――――』
顔とか背じゃなくて、髪の長いところがそっくり。
後ろを向いていたら、きっと間違える。
巻き込まれるはずじゃなかったのに、それで…捕まったんだと思う。
出入り禁止になったら、必ず逆襲してくると判っていたのに、
全く関係のない女の子を巻き込んでしまった。
彼女の命を奪ってしまった。
私が外に出ていれば、良かった…………』
瑠哀の瞳から、ツーッと、一筋の涙が流れ落ちた。
瑠哀はその大きな瞳を上げたまま、静かに話しを続ける。
『ショックだったのは、死体を見たからじゃなくて、
あの娘が…私の身代わりになってしまったこと。
あんな男に乱暴された、こと。
だから、聞いたの。彼女にその跡があるかどうか。
―――卑劣で、陰険で、最低な男。
電話で、ケラケラとせせら笑っていたわ。
彼女の泣き叫ぶ声を聞いた。ケインが殴って乱暴する音も聞いた。
カセットテープに取っていたのね。
有り難いことに、全て…私に聞かせてくれた―――』
『ルイ、もうやめるんだっ!
もう、いい―――。
……済まなかった。
もういいんだよ、ルイ――――』