瑠哀 ~フランスにて~
「そうしてください。

それから、この決着が着くまで、決してガードから離れないでください。

屋敷の中も同じです。

必ず、あなた達一人一人にガードをつけてください。

どこに行く時も、決して一人になってはいけません。

よろしいですか?」


 マーグリスは瑠哀を見上げ、ゆっくりと頷いた。


「あなたは、どうするのですか?

昨日、刑事が来ましたね。

ケインのことで」

「あなたとも話をしたのですか?」

「軽い事情の説明だけですが」

「そうですか。

それなら、話は早い。

ちょっと、あなたのお力をお借りしようかと考えていたものですから―――」


 マーグリスは瞳を上げ、


「なんでも言ってください。

私にできることならば、なんでもします。

あなたには、私も、セシルも、そして、ユージンも世話をかけました。

どうか、なんでも言ってください」


「ありがとうございます」
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