瑠哀 ~フランスにて~
「リチャードよ。
事情聴取とこぎつけて、取り調べをするらしいから」
「なるほど。
まあ、小ズルイ男のようだから、そう簡単には尻尾を出さないだろう」
「そうね」
「それでも会うのか、ルイ?」
「別に、あの男に会いに来たんじゃないわ」
その言葉に、朔也が視線を戻した。ピエールも瑠哀の方に視線を向ける。
「他に何かあるのか?」
「さあ」
「だったら、何の為にここに来たんだ?わざわざ狙ってください、
とでも言いに来たんじゃないだろうね、ルイ。
それで、早く終わらせてください、などとそんな馬鹿げたことを、だ」
ピエールの口調が明らかに不機嫌だった。
瑠哀の今までの素行から、本気でそんなことを考えていさそうな口振りにも聞こえる。
それで、瑠哀が少しだけピエールの方に顔を上げた。
ほんの一瞬だけ、見逃してしまいそうだったが、ちょっと困ったような顔をしてピエールを見上げる。
ピエールは冷たい、それ以上にきつい眼差しをそのまま真っ直ぐに瑠哀に返す。その暗黙の迫力が、
「まさか図星だったとは言わないだろうな」
と脅しつけているかのようだった。
「――ピエール。私は、二人が傍にいてくれるから大丈夫よ」
事情聴取とこぎつけて、取り調べをするらしいから」
「なるほど。
まあ、小ズルイ男のようだから、そう簡単には尻尾を出さないだろう」
「そうね」
「それでも会うのか、ルイ?」
「別に、あの男に会いに来たんじゃないわ」
その言葉に、朔也が視線を戻した。ピエールも瑠哀の方に視線を向ける。
「他に何かあるのか?」
「さあ」
「だったら、何の為にここに来たんだ?わざわざ狙ってください、
とでも言いに来たんじゃないだろうね、ルイ。
それで、早く終わらせてください、などとそんな馬鹿げたことを、だ」
ピエールの口調が明らかに不機嫌だった。
瑠哀の今までの素行から、本気でそんなことを考えていさそうな口振りにも聞こえる。
それで、瑠哀が少しだけピエールの方に顔を上げた。
ほんの一瞬だけ、見逃してしまいそうだったが、ちょっと困ったような顔をしてピエールを見上げる。
ピエールは冷たい、それ以上にきつい眼差しをそのまま真っ直ぐに瑠哀に返す。その暗黙の迫力が、
「まさか図星だったとは言わないだろうな」
と脅しつけているかのようだった。
「――ピエール。私は、二人が傍にいてくれるから大丈夫よ」