瑠哀 ~フランスにて~
ピシャリ、とピエールが厳しく言い捨てた。
完全に、頭にきているように、それ以上の言葉を聞きさえもしない様子だった。
今、何かを話しかけたのなら、疑いようもなく、ピエールは冷淡にその相手を切り捨てたことだろう。
「…ごめんなさい、ピエール、サクヤ…」
謝るな、と言いつけられているのに、瑠哀はそれを口にした。
また、ピエールの眉間がきつく揺れる。
「僕達は君を怒っているんじゃない。
心配しているんだ。
判らないのか?」
ピエールの苛立たしげな口振りが容赦なく吐き出される。
「わかっている…。
ありがとう、ピエール、サクヤ」
瑠哀はそれだけを言って、ほんの微かにうつむいた。
深く瞬きをしたその瞳の奥から、自責の色が哀しげに浮かんでいるのが見える。
「ルイ」
グイッと、ピエールが瑠哀の顎を無理矢理上げさせた。
「自分を責めるんじゃない。
それ以上、謝るんじゃない。
君は何も悪くない。僕達は君をとても心配しているんだ。
それだけだ。
それが判ったんなら、さっさとその顔をやめるんだ。
辛気臭いのは、嫌いだ」
完全に、頭にきているように、それ以上の言葉を聞きさえもしない様子だった。
今、何かを話しかけたのなら、疑いようもなく、ピエールは冷淡にその相手を切り捨てたことだろう。
「…ごめんなさい、ピエール、サクヤ…」
謝るな、と言いつけられているのに、瑠哀はそれを口にした。
また、ピエールの眉間がきつく揺れる。
「僕達は君を怒っているんじゃない。
心配しているんだ。
判らないのか?」
ピエールの苛立たしげな口振りが容赦なく吐き出される。
「わかっている…。
ありがとう、ピエール、サクヤ」
瑠哀はそれだけを言って、ほんの微かにうつむいた。
深く瞬きをしたその瞳の奥から、自責の色が哀しげに浮かんでいるのが見える。
「ルイ」
グイッと、ピエールが瑠哀の顎を無理矢理上げさせた。
「自分を責めるんじゃない。
それ以上、謝るんじゃない。
君は何も悪くない。僕達は君をとても心配しているんだ。
それだけだ。
それが判ったんなら、さっさとその顔をやめるんだ。
辛気臭いのは、嫌いだ」