瑠哀 ~フランスにて~
-4-
ピエールが無言で、座っている瑠哀の顎を上げさせ、
側に置いてあった救急箱から消毒液を取り出し、
首に付け出した。なにかのシートを半分に折り、首に貼り付けて行く。
瑠哀は、その間、何も言わず、動きもせず、ピエールにされるままにそこに座っていた。
ドサッと、なにかが落とされる音がし、そっちに目線だけを向けると、
のされたケインが後ろで縛り上げられ、朔也が寝室を出た所に投げ捨てたのだ。
「サーヤ、手を貸して。包帯を巻くから」
静かに言うピエールに、朔也は無言で近づいて来た。
瑠哀の髪を取り、それを持ち上げて、首の周りを空けるようにする。
ピエールがそこに包帯を巻き出した。
「―――手当て…、どうもありがとう」
包帯を巻き終えたピエールに、瑠哀がポソリと礼を言った。
ピエールはその瑠哀を見ただけで、何も言わない。
「ごめんなさい」
瑠哀はそれだけを言って、立ち上がりかけた。
朔也が髪を少し引っ張り、
「どこに行くんだ?」
「髪留めを取りに」
「そこに座っているんだ。
俺が取りに行くから。
どこにあるんだ?」
「ベッドのサイドテーブルの上に」
側に置いてあった救急箱から消毒液を取り出し、
首に付け出した。なにかのシートを半分に折り、首に貼り付けて行く。
瑠哀は、その間、何も言わず、動きもせず、ピエールにされるままにそこに座っていた。
ドサッと、なにかが落とされる音がし、そっちに目線だけを向けると、
のされたケインが後ろで縛り上げられ、朔也が寝室を出た所に投げ捨てたのだ。
「サーヤ、手を貸して。包帯を巻くから」
静かに言うピエールに、朔也は無言で近づいて来た。
瑠哀の髪を取り、それを持ち上げて、首の周りを空けるようにする。
ピエールがそこに包帯を巻き出した。
「―――手当て…、どうもありがとう」
包帯を巻き終えたピエールに、瑠哀がポソリと礼を言った。
ピエールはその瑠哀を見ただけで、何も言わない。
「ごめんなさい」
瑠哀はそれだけを言って、立ち上がりかけた。
朔也が髪を少し引っ張り、
「どこに行くんだ?」
「髪留めを取りに」
「そこに座っているんだ。
俺が取りに行くから。
どこにあるんだ?」
「ベッドのサイドテーブルの上に」