瑠哀 ~フランスにて~
マーグリスの言った通り、部屋に戻り着替えを済ませた瑠哀の元に、
すぐに呼ばれた医者が顔を出していた。
「サクヤが怪我をしているんです。
彼の手当てを先にしてください。
傷が――銃で撃たれてしまったので……」
「ルイ。これは、ただのかすり傷なんだよ。
そんなに心配するほどのものじゃない」
「傷の手当てを―――」
この場でも、船の中と同じような状況になってしまって、
何度も説得を試みる朔也の苦労に反して、
瑠哀は頑なまでに朔也の手当てを先に推し進めた。
絶対に動きそうもないその態度を見て、その場はピエールによって、
無理矢理ではあるが、瑠哀を心配している朔也をなだめ、
朔也が先に手当てを受けることになった。
診察を受けている朔也のその様子を、瑠哀がこれ以上ないほどに真剣に見守っている。
じっと、眼を凝らし、朔也の手当てが終わるまでの間ずっと、
そこから動きもせずに瑠哀の真剣な視線が真っ直ぐ朔也に固定されていた。
そのあまりにも思い詰めた様子を見て、
ピエールがそっと瑠哀を抱き寄せ額にキスをする。
「ルイ、サーヤは大丈夫だよ。あの程度なら、大したことはない」
すぐに呼ばれた医者が顔を出していた。
「サクヤが怪我をしているんです。
彼の手当てを先にしてください。
傷が――銃で撃たれてしまったので……」
「ルイ。これは、ただのかすり傷なんだよ。
そんなに心配するほどのものじゃない」
「傷の手当てを―――」
この場でも、船の中と同じような状況になってしまって、
何度も説得を試みる朔也の苦労に反して、
瑠哀は頑なまでに朔也の手当てを先に推し進めた。
絶対に動きそうもないその態度を見て、その場はピエールによって、
無理矢理ではあるが、瑠哀を心配している朔也をなだめ、
朔也が先に手当てを受けることになった。
診察を受けている朔也のその様子を、瑠哀がこれ以上ないほどに真剣に見守っている。
じっと、眼を凝らし、朔也の手当てが終わるまでの間ずっと、
そこから動きもせずに瑠哀の真剣な視線が真っ直ぐ朔也に固定されていた。
そのあまりにも思い詰めた様子を見て、
ピエールがそっと瑠哀を抱き寄せ額にキスをする。
「ルイ、サーヤは大丈夫だよ。あの程度なら、大したことはない」