瑠哀 ~フランスにて~
「―――こんな所で、もう一度、お会いするとは思ってもいませんでした」
瑠哀はユージン達が去った後、母親に向き直って椅子を勧める。
「わたしもです。ユージンが、あなたに会ったと聞いて、驚きました。
それに、助けていただいたみたいで………。
お礼を言います」
「それは、お気になさらないでください。
たまたま、通りかかっただけですから。
それよりも、お話ししたいことがあって、ここに来てもらったんです」
「ええ。ユージンから聞きました。大事な話がある、と」
瑠哀は静かに頷いた。
「ここへは、休暇かなにかで、いらしたのですか?」
「ええ。ユージンも休みなのに、どこにも連れて行ってあげられなかったので、
休みが取れて、ここに来たんです。
ここには主人の所有する別荘があるので、ホテル代が浮いてちょうどいいか、と」
「ご主人も、ここにいらしているのですか?」
「いいえ。主人は、以前に亡くなっています」
「それは、すみません……」
母親は首を振る。
「だいぶ、前のことです。ユージンが生まれて間もない時で………」
「そうでしたか……。
―――あの、話は変わりますが、ここに来て、なにか変わったことはありませんでしたか?」
「変わったこと?」
「…尾けられている―――ようなことは、ありませんか?」
母親はその言葉に、サッと顔色を変える。
「それは―――?!」
瑠哀はユージン達が去った後、母親に向き直って椅子を勧める。
「わたしもです。ユージンが、あなたに会ったと聞いて、驚きました。
それに、助けていただいたみたいで………。
お礼を言います」
「それは、お気になさらないでください。
たまたま、通りかかっただけですから。
それよりも、お話ししたいことがあって、ここに来てもらったんです」
「ええ。ユージンから聞きました。大事な話がある、と」
瑠哀は静かに頷いた。
「ここへは、休暇かなにかで、いらしたのですか?」
「ええ。ユージンも休みなのに、どこにも連れて行ってあげられなかったので、
休みが取れて、ここに来たんです。
ここには主人の所有する別荘があるので、ホテル代が浮いてちょうどいいか、と」
「ご主人も、ここにいらしているのですか?」
「いいえ。主人は、以前に亡くなっています」
「それは、すみません……」
母親は首を振る。
「だいぶ、前のことです。ユージンが生まれて間もない時で………」
「そうでしたか……。
―――あの、話は変わりますが、ここに来て、なにか変わったことはありませんでしたか?」
「変わったこと?」
「…尾けられている―――ようなことは、ありませんか?」
母親はその言葉に、サッと顔色を変える。
「それは―――?!」