瑠哀 ~フランスにて~
「これをお話しすべきかどうか、ずっと迷っていたんです。
あなた達と別れた後、伝えなければならないことがあって、あなたを探していました。
でも――、見つけられず、私もパリを発つことになって、
それも仕方がないかもしれない、と思っていました」
瑠哀は自嘲気味に笑む。
「今日、ユージンに出会わなければ、このことを思い出さなかったと思います。
―――あなた達は、狙われているでしょう?」
母親は目を大きくして、瑠哀を見返した。
「あの男達が、あなた達の居場所を聞きに、私の所に来ました。
でも、私はどこにいるかなど知らなかったので、答えることができません。
その後、私は見張られていたようなのです。
あなた達と連絡を取るのではないか、と疑っていたのでしょうね」
「…いま、は……?」
「パリを発つ前には、その気配はありませんでした。
なにもしない私を諦めたのだと思います」
母親は、ほう、と安殿溜め息をもらす。
あなた達と別れた後、伝えなければならないことがあって、あなたを探していました。
でも――、見つけられず、私もパリを発つことになって、
それも仕方がないかもしれない、と思っていました」
瑠哀は自嘲気味に笑む。
「今日、ユージンに出会わなければ、このことを思い出さなかったと思います。
―――あなた達は、狙われているでしょう?」
母親は目を大きくして、瑠哀を見返した。
「あの男達が、あなた達の居場所を聞きに、私の所に来ました。
でも、私はどこにいるかなど知らなかったので、答えることができません。
その後、私は見張られていたようなのです。
あなた達と連絡を取るのではないか、と疑っていたのでしょうね」
「…いま、は……?」
「パリを発つ前には、その気配はありませんでした。
なにもしない私を諦めたのだと思います」
母親は、ほう、と安殿溜め息をもらす。