瑠哀 ~フランスにて~
「……そんな、ことを言われたのは、初めてだ。それも、君のような女の子に……」

「私は変わっているから」


 瑠哀はそう言って、小さく笑った。


「話がそれたが、君が何を考えているのか、答えてないよ、ルイ。

君を守れなくても、友人として心配しているのは判っているんだろう?」

「ピエールも、私がなにかしだす、と疑っているのね。

どうやら、私はあんまり信用がないみたい」

「信用はしているよ。ただ、

君は一人でなんでも抱え込みそうでね」


 瑠哀はそっと横を向いて溜め息を吐く。


「……隠してるつもりは、ないんだけどな。

なんだか、後から発見されて、墓穴を掘っているみたいだわ―――」
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