瑠哀 ~フランスにて~
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「ユージンっ!!」
男だろうか。ユージンを抱えるように走り去って行く。
人込みから離れて行くように暗がりへ走っている。
行き交う人々にぶつかりながら瑠哀はユージンを追う。
このまま行ったら林に近づき、民家の光りが届かなくなる。
「ユージン!!」
さっきから間断なくユージンを呼んでいるのに応答がない。
気絶しているのかもしれなかった。
少しきつい坂を駆け上って行く。
相手はユージンを抱えているので、瑠哀が追いつくことは容易かった。
あと数歩でユージンに届く。
男はそれに気付いたのか、足を止めた。
「ユージンを離しなさい。
なんの目的があるのかは知らないけど、こんなやり方は許さない。
ユージンを返して」
あっちの騒ぎに光りを盗られて、ここは暗い。
背中を向けていたが、相手は黒いサングラスを掛けているのがわかる。
「…………ママン?」
「ユージン!」
「ママンっ!!ママン、助けてっ!」
気がついたユージンが狂ったように叫び出した。
男だろうか。ユージンを抱えるように走り去って行く。
人込みから離れて行くように暗がりへ走っている。
行き交う人々にぶつかりながら瑠哀はユージンを追う。
このまま行ったら林に近づき、民家の光りが届かなくなる。
「ユージン!!」
さっきから間断なくユージンを呼んでいるのに応答がない。
気絶しているのかもしれなかった。
少しきつい坂を駆け上って行く。
相手はユージンを抱えているので、瑠哀が追いつくことは容易かった。
あと数歩でユージンに届く。
男はそれに気付いたのか、足を止めた。
「ユージンを離しなさい。
なんの目的があるのかは知らないけど、こんなやり方は許さない。
ユージンを返して」
あっちの騒ぎに光りを盗られて、ここは暗い。
背中を向けていたが、相手は黒いサングラスを掛けているのがわかる。
「…………ママン?」
「ユージン!」
「ママンっ!!ママン、助けてっ!」
気がついたユージンが狂ったように叫び出した。