瑠哀 ~フランスにて~
-4-
「来たね」
瑠哀は言われた通り傷がよく見える服を着てきた。
髪が濡れているので、上で一つに束ねている。
もともと、夏なのだから肌を出す洋服の方が多く、長袖などでこの傷を隠す洋服の方が少なかった。
この服は、細い肩紐がついている膝丈上の軽いワンピースだから、ほとんどの傷は見えるだろう。
朔也は瑠哀に近寄ってきて、瑠哀の腕を上げるようにした。
「まずは、その傷を見せて」
瑠哀は朔也の言われるままになっていて、朔也がその包帯を丁寧に取っている間も、一言も口を挟まなかった。
そこに貼られたシートを剥がして現れたものを見て、朔也は顔をしかめる。
「ピエール」
朔也に呼ばれて、ピエールが箱を手渡した。
どうやら、救急箱のようである。
もう一度消毒し直し、なにかの薬を塗って包帯を巻いていく。
手慣れた様子で傷の手当てを済ませていた。
それが終わると、今度は目立つ部分のあざのチェックをし始めた。
「腕と肩、それと足の間接部分が特にひどい。他には?」
「腰の周りに少し」
「ほぼ、全身か……」
朔也は深い溜め息をつく。瑠哀に椅子を勧めて、自分も腰を下ろして行く。
「どうして、そんなに傷だらけなんだ?」
「ぶつけたの」
瑠哀は言われた通り傷がよく見える服を着てきた。
髪が濡れているので、上で一つに束ねている。
もともと、夏なのだから肌を出す洋服の方が多く、長袖などでこの傷を隠す洋服の方が少なかった。
この服は、細い肩紐がついている膝丈上の軽いワンピースだから、ほとんどの傷は見えるだろう。
朔也は瑠哀に近寄ってきて、瑠哀の腕を上げるようにした。
「まずは、その傷を見せて」
瑠哀は朔也の言われるままになっていて、朔也がその包帯を丁寧に取っている間も、一言も口を挟まなかった。
そこに貼られたシートを剥がして現れたものを見て、朔也は顔をしかめる。
「ピエール」
朔也に呼ばれて、ピエールが箱を手渡した。
どうやら、救急箱のようである。
もう一度消毒し直し、なにかの薬を塗って包帯を巻いていく。
手慣れた様子で傷の手当てを済ませていた。
それが終わると、今度は目立つ部分のあざのチェックをし始めた。
「腕と肩、それと足の間接部分が特にひどい。他には?」
「腰の周りに少し」
「ほぼ、全身か……」
朔也は深い溜め息をつく。瑠哀に椅子を勧めて、自分も腰を下ろして行く。
「どうして、そんなに傷だらけなんだ?」
「ぶつけたの」