瑠哀 ~フランスにて~
「わからない。
でも、昨日、ユージンが捕らえられている間、
ユージンは私をセシルと間違えて呼んでいたの。
それを聞いたあの男が、ためらいもなく私を―――セシルを、殺そうとした」
「あの男――とは、一人を指しているね。
その男の顔を見たのか?」
「サングラスをかけていて、顔は見えなかった。
でも、声音と外見の感じからして、私を尾けていた男達の一人だと、思う…」
「これは―――、思った以上に、深刻だな」
朔也は、ふうと、深い溜め息を吐いた。
「そのことなんだけど――、はっきりするまで、このことをセシルに話さないで欲しいの。
今でさえ、こんなことになって、心身的にも辛いはず。
それに追い討ちをかけるようなことはしたくないの」
「わかった。しばらくは様子を見ながら、彼女の護衛も考えてみよう」
「ありがとう。
―――それから、ごめんなさい。
二人には関係ないのに、迷惑をかけてしまって……」
朔也は困ったように少しだけ眉を寄せ、
「ルイ、頼むから、君も無茶をしないでくれ。
後から知らされる方が、ショックが強いことだってあるんだ」
「うん……。でも、私は大丈夫よ」
朔也とピエールは思いっきり猜疑の表情をみせた。
瑠哀は小さく苦笑いをする。
「嘘は言っていないでしょう?
私は無事でここにいるから大丈夫だ、と言ったのよ」
朔也は諦めたように大きな溜め息をこぼしていた。
「次からは、それをよく覚えておこう」
でも、昨日、ユージンが捕らえられている間、
ユージンは私をセシルと間違えて呼んでいたの。
それを聞いたあの男が、ためらいもなく私を―――セシルを、殺そうとした」
「あの男――とは、一人を指しているね。
その男の顔を見たのか?」
「サングラスをかけていて、顔は見えなかった。
でも、声音と外見の感じからして、私を尾けていた男達の一人だと、思う…」
「これは―――、思った以上に、深刻だな」
朔也は、ふうと、深い溜め息を吐いた。
「そのことなんだけど――、はっきりするまで、このことをセシルに話さないで欲しいの。
今でさえ、こんなことになって、心身的にも辛いはず。
それに追い討ちをかけるようなことはしたくないの」
「わかった。しばらくは様子を見ながら、彼女の護衛も考えてみよう」
「ありがとう。
―――それから、ごめんなさい。
二人には関係ないのに、迷惑をかけてしまって……」
朔也は困ったように少しだけ眉を寄せ、
「ルイ、頼むから、君も無茶をしないでくれ。
後から知らされる方が、ショックが強いことだってあるんだ」
「うん……。でも、私は大丈夫よ」
朔也とピエールは思いっきり猜疑の表情をみせた。
瑠哀は小さく苦笑いをする。
「嘘は言っていないでしょう?
私は無事でここにいるから大丈夫だ、と言ったのよ」
朔也は諦めたように大きな溜め息をこぼしていた。
「次からは、それをよく覚えておこう」