年下男子にご注意を。
そんなんで、結局恋については聞けずじまいで……
この胸の動悸のわけも分からないまま、朝を迎え、学校に行く準備をする。
「お姉ちゃん。わたし学校行ってくるね」
「あ、ちょっと待って真夕!」
靴を履きおえたわたしを、洗面所から出てきたお姉ちゃんがひきとめる。
…何だろう?
「昨日、恋について聞いてきたでしょ?」
「うん。そうだけど…」
「残念ながら、わたしには真夕に恋を教えてあげられない。…他の誰にも真夕に恋を教えられないわ」
「え…?」
「恋には何の理屈もないのよ。だから、真夕が恋だと思った時、それが恋になるのよ……」
お姉ちゃんの言葉には不思議と説得力があって、なんとなくそういうものなのかと納得した。