年下男子にご注意を。

そんなんで、結局恋については聞けずじまいで……



この胸の動悸のわけも分からないまま、朝を迎え、学校に行く準備をする。



「お姉ちゃん。わたし学校行ってくるね」


「あ、ちょっと待って真夕!」




靴を履きおえたわたしを、洗面所から出てきたお姉ちゃんがひきとめる。




…何だろう?




「昨日、恋について聞いてきたでしょ?」


「うん。そうだけど…」




「残念ながら、わたしには真夕に恋を教えてあげられない。…他の誰にも真夕に恋を教えられないわ」



「え…?」



「恋には何の理屈もないのよ。だから、真夕が恋だと思った時、それが恋になるのよ……」




お姉ちゃんの言葉には不思議と説得力があって、なんとなくそういうものなのかと納得した。





< 119 / 235 >

この作品をシェア

pagetop