年下男子にご注意を。

「屋上…?」


その光景にわたしはただ呆然としていた。


そんなわたしに、横にいた上城くんが穏やかな顔で口を開く。



「真夕先輩、なんで僕と一之瀬先輩が屋上に連れてきたか分かりますか?」


「なんでって言われても……」



いきなりすぎて分からないよ…


真剣に悩むわたしを見て、今度は一之瀬くんが口を開いた。




「簡単だ。この屋上は、俺等ふたりが日向に告白した場所…だろ?」


「え…」


「だから、真夕先輩との初デートの場所はここがいいって決めていたんです…」


「……」




…グラウンドで部活をしてる人達の声が、やたらと耳に響く。


静かに吹く冷たい風が、火照ったわたしの頬をかすめて、



優しい沈黙が流れてく……



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