年下男子にご注意を。
「よくわかんない、けど…怖かった。もうあの人に会えないって思うと…怖くてたまらなかった…っ!」
考えるより先に心が恐怖するのを感じたのを覚えてる。
はじめて、他人の前でこんなに泣いてこんな声をあげたな…
「あの人……って?」
抱きしめる力を緩めて、少し遠慮がちにそう問いかけてきた香織。
「……わたしが、意識なくす寸前に浮かんだ人」
「それってさ、あたしじゃ…ないんだよね?」
悲しそうなその声になんだか香織の顔が見れなくて「…ごめんね」と、俯いたまま謝った。
そんなわたしを見て、香織はあせったように両手を左右に動かしながら話し出す。
「違う違う!そうじゃなくて…やっと分かったんだって思っただけだよ!」
「え、分かったって…?」
何のこと?と、きょとんとしてるわたしに、彼女は安心させるような優しい笑顔を見せた…