年下男子にご注意を。
「それにしても先輩、意外と純情なんですね」
「…どういう意味?」
ふっと、彼は少し微笑んだ後…
「顔…真っ赤ですよ?」
と、わたしにだけ聞こえるように耳元でそっと呟いた。
「な、なにい…」
「それじゃあ先輩!また来ますねー」
そしていつもように無邪気な笑顔を見せた彼は、わたしにそう言い何食わぬ顔で去っていった。
一体…
何だったんだ今のは。
あの声は、笑い方は…
いつもの上城くんと違っていた。
耳に甘く響いた低い声…
あれはいつもと全然違う男の人の声だった。