年下男子にご注意を。
「先輩?聞いてる?…それとも、キスされるのを待ってるの?」
その言葉と共に上城くんの顔が近づいてきて、わたしは我に返った。
「違う!上城くん、何でそんなに怒ってるの?」
「え…?」
上城くんは一瞬動きを止めて、あたしの方をじーっと見る…
「怒ってる…?そう見えますか?」
「だって、怒ってるよ。上城くんさっきから意地悪ばかり…」
まるで、昨日の上城くんみたいに…
「……そうですね、怒ってますよ。確かに」
そして、静かにわたしの背中にある壁にそっと手をつくと…
バンッ
という音を響かせ、力いっぱいわたしの顔すれすれに壁を叩きつけた。