アイスクリームが溶けちゃうような

いっくんの意地悪。



「…て、ってゆうか、時間大丈夫?」

「……うわ!大丈夫じゃねーよ!」



ベッドから飛び降りたいっくんは、焦りながらパジャマを脱いで、スーツに着替えだした。


意地悪ばっかりするからだよ。
…って言いたかったけど、余計挑発しちゃうから今はやめます。



「紗陽」



リビングでいっくんの朝ごはんをテーブルにおいてると、不意に名前を呼ばれた。



「ん」



振り向けば、完璧に着替えたいっくんが、ネクタイをあたしに差し出した。

ネクタイ結んであげるのは結構好き。


初めの頃はワケわかんなくて、大っ嫌いだったけど。



「ねぇ、いっくん?」

「なに」



襟の後ろからネクタイをとおす。

え…と、ここは……よし。
できた。



「お仕事頑張ってね」



ネクタイを結び終えたあたしは、いっくんにニッコリ微笑んだ。

< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop