先輩、あなたが好きなんです。
中学1年生

転校生の体験

10月4日の、午前8時過ぎ。

今、この時ほど吐き気が激しかった日はないと思う。

信じられないくらいの視線を浴び、そして一番に、この状態で自己紹介しろなんて私には難題。

《千葉…香葉です。よろしくお願いします…。》
これしか自己紹介という文章が思いつかなかった。

自己紹介が終われば拍手が起こった。


汗が額から流れ落ちる。
肌寒くなってきた季節、汗は私の身体に悲鳴をさせる。


《みんな、よろしくたのむね。》

担任がニコニコと、話を進めた。

私は下を向いて、黙って聞いていた。

皆も、それ以上なにも言わなかった。
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