【短】キャンバス
君はもう私の隣にいない。
どんなに願っても、君の隣にいることはできないだろう。
君と私は…もう、違う世界にいる。
それでも君を遠くで感じられる。
あの頃願ったような気持ちはもうない。
それでも…私は君を想っているから。
「…待った?」
「ううん」
私は首を横に振る。
今の私が隣にいる人の腕に自分の腕を絡ませる。
私も前へ進んでいる。
君が見ている世界を見ることはできないけど、描く世界を遠くで見つめているから。