チョコレート記念日【2023ver.】


「そうだったんだ、ありがとな。えっと…その制服、南高校だよね?見ない顔だけど…もしかして1年生?」


「は、はい。1年の一ノ宮萌花です」


…ど、どうしよう。先輩に名乗っちゃった…!それに初めて楓先輩と言葉を交わしてしまった。


表面女は冷静に努めながらも心の中では歓喜の声を上げる私。


しかし、あまりにも緊張しすぎて、声が上ずってしまう。


「萌花お姉ちゃん?」


紅葉くんが嬉しそうに私の手を握りながらそう呟いて、首を傾ける。


そんな姿に胸キュンしてしまった。

< 48 / 61 >

この作品をシェア

pagetop