チョコレート記念日【2023ver.】
「そうだったんだ、ありがとな。えっと…その制服、南高校だよね?見ない顔だけど…もしかして1年生?」
「は、はい。1年の一ノ宮萌花です」
…ど、どうしよう。先輩に名乗っちゃった…!それに初めて楓先輩と言葉を交わしてしまった。
表面女は冷静に努めながらも心の中では歓喜の声を上げる私。
しかし、あまりにも緊張しすぎて、声が上ずってしまう。
「萌花お姉ちゃん?」
紅葉くんが嬉しそうに私の手を握りながらそう呟いて、首を傾ける。
そんな姿に胸キュンしてしまった。