チョコレート記念日【2023ver.】


「萌花ちゃんか、紅葉の世話してくれてありがとう。ほら、紅葉もちゃんとお姉ちゃんにお礼言いな?」


せ、先輩から…萌花ちゃんって、呼ばれてしまった。


もう、人生の中で一番幸せな時間かもしれない。


「い、いえ。どちらかといえば私が紅葉くんに遊んでもらったって感じで…」


顔から火が出そうなくらい頬が熱くなるのをパタパタと手で仰ぎながらどうにか堪える私。


すると。


「萌花お姉ちゃん、ありがとう。明日も一緒に遊ぼーね」



そう言ってギュッと、さらに強く手を握りしめる紅葉くん。


「いいよ。明日暇だから、またお山つくる?」


私も紅葉くんに向かって笑顔を浮かべたのだった。

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