卒業記念日
ニコニコと笑いながら声をかけてきたのは、数学担当の松田先生。

気さくな兄貴っていう感じで、生徒には人気のある先生だった。

かくいう私もその一人。ホントは数学って苦手だけど、必死に勉強したっけ。

もっとも、それ以外の思いもあったのよね。
そのことに、私は気がつかないふりしてた。

そう。私の思いはできたばかりの彼氏よりも先生に向いてたんだ。

だからかな?

彼氏に不満があるはずがないのに、連絡することもやめていた。 


きっと、このままじゃ振られちゃう。 
だから後悔しないように、今日こそ動くんだ。
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