☆SHINING GIRL★
後ろ姿
ライブを一切見ずにいた俺に,亮太が激を飛ばした。
あたりまえだよな。
そりゃおれだって怒るよ。
でも俺の頭の中はライブではなかった。
あの電車ですごくドジだったあの子が,ライブ会場ではスゴクシャキッとしていた。
たった一瞬のことのようだけど,俺はあの後ろ姿が目に焼き付いていてはなれない。
俺の母親は専業主婦だし,彼女はバイトもしていない学生で,俺の働いている会社にも女性はいなくて,だから働いている女性というものをしっかりと見たことがない。
別に女性=働かないって思っていたわけではなくて,目の前で仕事をしている女性をしっかりと見たことがなかっただけだけど・・・
かっこいいって思ったんだ。
電車の中でオドオドしていたあの後ろ姿と,ステージを見ていた働く女性の後ろ姿。。。。
何と表現していいか分からないこの気持ちに,正直俺は動揺していた。
「聞いてんのかよ響!!!?」
「!・・・・うん,聞いてた聞いてた。」
「もうぜってぇお前とは行かないからなぁ##」
「(ぜひそうしていただきたい・・・・)・・・・どうだった?ライブは。」
「おぉ!!よくぞ聞いてくれたvvv」
さっきまで眉間にしわを寄せて俺に説教をしていた亮太の顔が,いっきに明るくなった。
「マジやっぱり最高だったわぁ♪俺はあのグループでは特にバラードがすきなんだよぉvv」
「・・・・・バラード。」
彼女がスタッフと話していた曲のことだろうか。
「照明青くなった?」
「は!??」
「ううん、なんでもねぇ。」
バカみてぇ俺;
かっこわりぃ・・・