極上御曹司のイジワルな溺愛

のんびりしたかったのは事実。だからといって、蒼甫先輩と一緒に居たくないと思ったわけじゃない。

まあいきなり、「働かざるもの食うべからず」と言われたことには不服だけど。それも今落ち着いて考えれば、当たり前のこと。無償で住まわせてもらっておきながら何もしないなんて、人として問題あり。あれもできない、これもできないでは、この先生きていけない。

蒼甫先輩に勝手にこき使われるのは面白くないけれど、あばたもえくぼ。こうなったらどんな欠点も、どんと受け入れようじゃないの。

そうと決まればさっさと部屋の片付けをして、蒼甫先輩を呼びに行ってやろうじゃない。

とは思ったものの、片付けも苦手な私は運び入れた物を半分かたづけたところで作業を一旦止めると、蒼甫先輩に声をかけるため部屋を出た。




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