極上御曹司のイジワルな溺愛
***


──それから四日。

私と里桜さんは、蒼甫先輩たちとは別室で会議が終わるのを待っていた。

会議の後、全員で昼食を共にしてから、お開きになるらしい。

「里中さん。お休みの日に、ごめんなさいね」

緊張しているのか、さっきから里桜さんは落ち着きがない。水を飲んでは溜息をつく、を繰り返していた。

「そんなこと気にしないでください。私の方こそ、おふたりの大事な話に首を突っ込んでしまって……」

乗りかかった船──とはいえ、大事な話をするときに、私なんかが居てもいいのだろうか。と、前日になってから怖気づき、昨晩はなかなか寝付けなかった。

「何を言っているの? 里中さんが頑張ってくれなかったら、私は薫さんに会えなかったかもしれない。あなたには感謝してるのよ、ありがとう」
「そんな、感謝なんてもったいないです」

でも正直、ホッとした。

感謝してほしくて話を聞いたわけじゃなけれど、少しでも役に立てたなら嬉しい。

きっと薫さんだって、今のままではいけないと思っているはずだ。どんなに内容のことであれ、先延ばしにしていいことなんてあるはずがないんだから。



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