極上御曹司のイジワルな溺愛

連休を取れることは稀だが、今週は珍しく二連休。明日は部屋の掃除や片付けをしようと思っていたけれど。

「何か仕事がありましたか?」

仕事最優先の私は、当たり前のように聞き返す。

でも蒼甫先輩の思惑は違ったようで、「真面目か」と一言呟くと私の体を抱き寄せた。

「な、なんですか、いきなり」
「今からだから近場で悪いけど、どこか泊まりで出かけるか?」
「泊まり……」

蒼甫先輩からの甘い誘いに急なことで戸惑う反面、嬉しさも込み上げる。

あ、でも……。

「蒼甫先輩、仕事があるんじゃないですか?」

今日の会議だって急に決めたこととは言え、大事な仕事に違いない。雅苑に戻って、片付けないといけないことがあるんじゃないだろうか。

と思いながらも、私の心はすでに踊りだしていた。

年内の連休は、きっとこれが最後だろう。一緒に暮らしていてもこれからはお互いに忙しくて、すれ違いの日も多くなるはず。

付き合いだしたばかりで少し寂しいと感じていながらも、こればかりはどうしようもないと諦めていた。

そんなときに突然訪れた、二人っきりになれる大チャンスを逃す手はない!


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