極上御曹司のイジワルな溺愛
安に居て気を思う?
新しい年を蒼甫先輩と迎えてから、はや一ヶ月。
真冬の外は寒いが、ベッドの中は必要以上に温かい。
それもそのはず。
私の上半身は蒼甫先輩の腕に背中側から包み込むように抱かれ、下半身は彼の足が絡みついている。
身動きひとつできない状態に、小さく溜息をついた。
「蒼甫先輩、少し暑くありませんか?」
遠回しに離れてほしいことを伝えたつもりだったけれど、蒼甫先輩には無駄だったみたいで。
「そうか? 肌と肌は密着してこそ、温かさを保てるんだ」
そう言ったかと思うと、体の戒めは一層強くなってしまう。
「蒼甫先輩、苦しい……」
たまらず身じろぎし蒼甫先輩から離れようとしたが、蒼甫先輩の逞しい腕がそれを許さない。
「起きるには、まだ早いだろう」
そう言って蒼甫先輩は私の肩に軽く歯を立てたかと思うと、熱い唇が首筋を味わうように這っていく。
早いって、今何時?
目だけ動かし時計を見れば、朝の六時。
確かにまだ早いけれど、今の蒼甫先輩はとても危険な状態で。この流れになると必ずと言っていいほど、朝っぱらから蒼甫先輩に抱かれることになってしまう。
もちろん、蒼甫先輩とそうなることが嫌なわけではない。でも朝からだと仕事に支障がでるというか、体が一日中ふわふわしてしまうのだ。