極上御曹司のイジワルな溺愛
今日の会議は今後の結婚式の展開や顧客のニーズにどう応えるかが主題で、二時間ほどで終わる予定が時計を見ればとうに三時間を超えていた。
会議が終わり次第昼食を取りお客様との打ち合わせ向かおうと思っていたのに、これでは間に合いそうにない。
広がっている資料をかき集め、慌てて会議室で飛び出す。一度スタッフルームに戻り打ち合わせ用のファイルと交換すると、サロンへと急いだ。
「お時間をお掛けしてしまい、申し訳ありませんでした。こちらの進行表ができ次第ファックスをお送り致しますので、ご確認いただけますか? また何かわからないことがありましたら、いつでもお電話下さい」
にこやかに挨拶を交わすと、サロンの出入り口まで見送る。
お客様との初めての対面は、何度経験しても慣れない。いつもならそれも精神力で乗りこえるが、今日は勝手が違った。
集中力に欠けるというか、頭が回らない。特に変わった進行でもないのに、言葉が出てこなくて焦ることも度々。