極上御曹司のイジワルな溺愛
それにしても広い。
部屋にひとりでいるのも寂しくて、ダイニングへと向かう。と言ってもひとりなのには変わりないが、部屋にいるよりもなんとなく落ち着いた。
時刻は午後六時。特にお腹も減っていない。
でもまた昼間みたいに倒れて迷惑かけてもいけないし少しは何か食べないと。冷蔵庫を開け、中を見て驚いた。
「スゴい……」
中には保存容器に詰められた惣菜が、綺麗に整えられて入っていた。ひとつひとつに作った日付が書いてあり、千夜さんの几帳面さがうかがえる。
中でもひじきの煮物や切り干し大根に目がない私はそれらを少しずつお皿に取ると、キッチンの炊飯ジャーから真っ白なご飯をよそう。
「いただきます」
久々に食べる家庭の味にお腹も満たされ、少し元気も取り戻した。
それでも体のだるさはまだ残っていて、今日は早めに就寝しようと風呂に入ることにした。