ひとつ、ベッドの中
「今日はありがとう」

「うん。きっと本物の万引き犯取り逃がしただろうな」

「あたしのせいでね」

「ちがう。職務怠慢だ」

「ふははっ」


もう10年も慣れ親しんだ凌ちゃんの胸。


おでこをこすりつけるように埋まる。



細かった凌ちゃんに筋肉がつき始めて。

肩幅も広くなって。

男の子から男の人へと変貌を遂げるその過程をあたしは知っている。


彼女さんに勝った。

変な優越感を抱く。

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