ひとつ、ベッドの中
体も、心も。

吐息が触れ合う距離で、懸命に伝える。


あたしは、凌ちゃん以外の誰のものにもならない。


「まだまだ足りないー…」


凌ちゃんはそう言って、貪るようにあたしの唇を求めた。





………あたしだって。



見ているだけでも幸せだったのに。


手に入れたら、それ以上を求めてしまう。




……人は、欲張りな生き物なんだ。


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