ひとつ、ベッドの中
凌ちゃんは、いつもあたしの一つ先を見ている。
「ありがとう、凌ちゃん……」
凌ちゃんを選んでよかった。
凌ちゃんに出会えてよかった。
「詩織、手」
そう言って、おもむろにあたしの手を取って。
「働いて、一人前になったら」
あたしの薬指に。
「ちゃんとしたものを贈るから」
きらりと光る、シルバーのリングが。
「それまでこれで、我慢して」
……嵌められた。
あたしの再スタートは。
ここから。
この場所で。
「ありがとう、凌ちゃん……」
凌ちゃんを選んでよかった。
凌ちゃんに出会えてよかった。
「詩織、手」
そう言って、おもむろにあたしの手を取って。
「働いて、一人前になったら」
あたしの薬指に。
「ちゃんとしたものを贈るから」
きらりと光る、シルバーのリングが。
「それまでこれで、我慢して」
……嵌められた。
あたしの再スタートは。
ここから。
この場所で。