ひとつ、ベッドの中
「ああ、それと――」


凌ちゃんから渡されたのは花束。


去年、香澄先輩に対して羨ましく思った花束。


宣言通り、両手いっぱいの。


「わぁ…嬉しい」


自分も卒業する身で、今日凌ちゃんから花束をもらえるとは思っていなかった。


もしかしたら、後輩の誰からも花束をもらえないあたしを気遣ってくれたのかもしれない。


「これはどういう意味合いのもの?」


ちょっと意地悪して聞いてみる。


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