天堂と十六夜



「すげー!きもちいいっ!」


空を飛びながら天堂に肩車されている桜李が鼻唄を歌っているのを見て十六夜は微笑んでいる



「とうちゃん、すげーすげー!初めてだよっ空とんだよっ」


「おら、落ちるぞ」



初めて空を飛んだ桜李は大きく後ろに倒れるようになり、天堂は落ちないように抱え直す



「いつもここを行くの?」


「いつもって訳じゃねぇ。でもだいたいはここを行くぞ」



話ながら空を飛んでいると普段世話になっている妖怪たちが挨拶に来て、また桜李にも話しかけてくれる



「とうちゃんてすごいんだね!」



「おうっ、そうじゃろ?…大きくなって二代目になったらお前に任せるからな」


「うん!だいじょうぶっ、まかせてよ!」


自信満々に弾けるような笑顔を見せた桜李は自分が二代目として百鬼を率いている姿を想像してにまにましていた



そうして最高の気分で桜李の初めての遠出が終わった






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