天堂と十六夜



おお~、行くぞ!

雑魚妖怪がいりゃ、オイラがやっつけるぜ!

総大将、行こうぜ!



「じゃあな、十六夜と待ってるんだぞ」


「うん!かあちゃんを守ってる!」



天堂が膝を曲げて桜李の頭を撫でながら留守を頼むと、桜李は十六夜を守ると胸を張り、十六夜は嬉しそうに桜李を抱き上げた


「お願いね、桜ちゃん」

「うんっ、かあちゃん!」


最後に天堂もひと撫でして百鬼を率いて空を駆け上がった


「よし!お前ら行くぞー!」


おおー!




空に天堂の掛け声と百鬼たちの一致団結の声が響き渡ったのを聞いて、桜李は十六夜の腕の中で姿が見えなくなるまで見送っていた



いってらっしゃい、とうちゃんーー









そして桜李が命をかけて守ったコスモスはしおれていたが、瑞々しく元気な姿を取り戻し自室の花瓶に生けてあったーー







……終……



< 102 / 163 >

この作品をシェア

pagetop